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これは珍しい。。若い内は普通に鞘ごと塩茹でして、、鞘が黄色っぽくなるまで熟したら中身の豆を写真のように塩茹でして。。

鈴木農園の野菜を使って色々と勉強になるのは、収穫の始まりから終りまで知れる事です。
いや別に知ったからってどうって事も無いのかもですが、僕にとっては刻々と移り変わる季節を体感出来て結構楽しいのです(笑)

例えば今ならキュウリやトマトが収穫始めからかなり味も形も変わってきましたよね。

そのまんま食べるなら一番美味しい時期が有るのも当然でしょう。でも、僕の仕事は収穫始め・最盛期・収穫終り時期、、其々の良いところを引き出したり利用して調理をしています。

難しい話じゃなくてそうなってしまった事をお客様も楽しんでくれているので良しとしています。。
結局のところ料理人が生活の糧とする根本、フランス料理という狭い世界の中に於いて推し進める思想が小さなコミュニティーで成り立つ事が先ずは基本としてありますが、、作り手が何に拘っているのかが分かりやすいのが野菜でしょう。


野菜をどう調理するとかの話しだけじゃなくて、フランス料理を提供する中で必要とする素材という意味では大きなウェートを占めていますから野菜の出来に一喜一憂しながらも料理人としての探求心が擽られる訳ですね。。


シンプルに素材を楽しんで貰いたい部分と素材を料理人が使いこなす部分は常に同居していますから僕自信はとても複雑な気分。

人それぞれ考え方が違うようにフランス料理をやっている料理人も一人一人違います。唯一共通するのはフランス文化でしょうが文化も日々刻々と歴史を刻んでいますよね。。

だから楽しいのかな?楽しいと思えるのは何かと言うと多分自由を与えられた事に気付き、考える事に意味が有るんだと思い、考える事が無駄にならないからなのか。。。


まー、でも僕は多分少数派(笑)

多数派の中に居れば安心するアレじゃありません。
自覚してるからこれからこそ淡々と楽しくやって行きたいものです。。



明日のディナーは珍しく全員おまかせコースのご予約で満席となりました♪ ありがとうございます^^

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グラタン・ドフィノワーズ

とてもシンプルだけど頭の中で考えていた通り寸分違わず作るには、ちょっとした経験が必要です。。
作る経験とかよりも、じゃがいもの澱粉質がアパレイユに何れだけ作用してくるのかを知る事のほうが大切だったりしますけどね。

最近時短料理が持て囃されているようですが、その殆どは本来の姿からかけ離れた所謂簡単料理。

例えばこのイモグラタンならどんな時短の工夫をするんだろう?って思う。

材料はじゃがいも・牛乳・生クリーム・塩胡椒・ナツメグ・ニンニク・グリュイエールチーズ。のみ。

まあ、どうでも良いことなのかもしれませんがこれは既に時短料理の域に達しているかもしれません(笑)
行程の全てに無駄を省きじゃがいもの澱粉質を利用して全てを纏める。というシンプルな考え。。

実はコレ、初めて知ったのがシェピエールでした。作り方は火入れの順番が少し違うだけで当時とほぼ変わりません。
素材の特性を知り、活かし、そして合理的に。。

仮に更なる時短をするとしてもそもそも有るじゃがいもの澱粉質を利用しないことはありませんから、とろみを付ける為に片栗粉や馬鈴薯澱粉やコーンスターチを添加することは無いです。

もし、そんなヘッポコレシピがあるなら笑えるレベルですね。

市販のホワイトソースも手作りホワイトソースも必要ありません。
主役はじゃがいもですから。。

その主役をまゆこさんが収穫したからって送ってくれました。
折角だからまゆこさんを知ってるお客様にも満遍なく食べてもらおうと、半ばネタ的に作りました。


今日は出せなかったけどね。。

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オーガニック黒いちじくとアーモンドのタルト♪
夏の定番です^^


さて、7月です。7月と言えば、、鈴木農園の1日レストラン。
今年も参加しますよ〜。
美味しい野菜をフランス郷土料理にアレンジしてお出ししますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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ディナーのツマミに。。

トウモロコシと新玉葱のピュレ&ヒゲのカリカリ。
トウモロコシは生の状態で実をこそげとり、芯は直火で焦げ目を付けてから水とゲランドの天日塩だけで煮出します。

新玉葱と実をバターで炒めたら煮出した出汁を加え煮込みミキサーで滑らかにしたら冷やします。
ヒゲはブドウ酵母の薄いベニエ生地に絡め揚げます。

特に一捻りあるわけではありませんが、季節のトウモロコシ。美味しく楽しめないかな〜?と思うとついついミニマムな方向へ。。(笑)


そう言えば昨日シェ・ピエールに行って来ましたよ♪
まあ閉店なので色々と貰って来ましたが、僕が働いていた頃に使っていた物がまだ有ったので想い出の品という事で有り難く戴いてきました。
なんて事無いステンレス製の小さな四角いストッカー。。
海の幸のサラダの準備で其々下拵えをした貝や海老等をストックしてお客様の注文を待っていましたね〜^^懐かしい!


店の備品や装飾品をオークションしてるらしかったので、何か買おうかなという勢いでしたがなんか微妙な雰囲気だったので干渉せずにテキトーに撤退。。

いや、なんだかな〜と思うのは中嶋さんの実直さ。
最期位思い入れのあるヤツくらい紙袋で包んで隠しておけば良かったのに…と思った。。

あのロケーションで僕は察知しましたよ、コレは誰かに手渡したいんだろうな…って。

なんでもかんでも売りゃ良いのかって。。

誰に手渡したいのかも僕には分かりましたよ。。
あーあ、世の中世知辛いね。。


まあ売れ残って行くべき所(人)に落ち着く事を願いますよほんと。。


いやー、すみませんね、内輪の話で。。

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いよいよシェピエール本日最終日。。

あのペースで閉店迎えるなんて凄いね。


という事で、僕が日本で修業した所がこれで全て無くなりました。

ほんと寂しい。。


普通が普通に無くなるんだよ?


でも普通にあるものだと思うものは普遍的だという事もわかっていますよ。。


そうやって引き継がれていくもんだよね。


不思議だと思うのは完全コピーとか盲信も無く、どちらかと言うと基礎の根本を学んだのにそれを否定してからまた元に戻る。戻ってしまう事。
でもいつの時代もそうですが、戻ったり脱線しながらも細かい事でいつも思い出すのが技術的な事。
これだけは本物。

きっとね、此処等がテキトーだったなら思い出す事も無く虚像を一生張ってるんでしょう。

長い間の営業、ピエールプリジャンと中嶋シェフ。。スタッフの皆様。

ほんとお疲れさまでした!

RESPECT!!

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蒸し暑くなって来ましたね。皆様いかがお過ごしですか?
今月末にシェ ピエールが閉店という事なのでブログもなんとなくそれ関係です。。

蒸し暑くなると天然酵母で作る自家製パンの発酵時間がよみやすくなるので量産してるのですが、最近はライ麦を加えたリュスティックというパンを作っています。
このリュスティック、水分量が多くてとても扱いにくい生地です。

生地を必要以上弄る事も練り回す事も作業台に生地を叩き付ける事もありません。
グルテン形成を長い発酵時間に託したフランスパンで、僕の営業スタイルにとても合っています。。

実はこのリュスティックを日本に広めたのがピエールさんやビゴさんの師匠、レイモン カルベル先生なのです。

だからリュスティックに拘る訳じゃ無いのですが、若い頃に習得出来なかった事がやっと形になってきたような気がするんですよね。
ま、変なはなし別にピエールさんやビゴさんを意識する訳でもなく【自分の営業サイクルでまともなパンを作りたい】という執念みたいなものは確かに有りましたし、それはパンに限らずこれからも前向きな感覚として継続していくつもりです。


しかし、やはり僕の料理技術や考え方の基礎は間違いなくシェ ピエールで過ごした濃密な時間から派生していますし、ほんと感謝の気持ちしかありません。

ある時期にはシェ ピエールすら否定するほどの孤独な時期も有りましたが、ここ10年で自分のルーツを全て受け入れ活力にする力を養えました。

それは生き方その物であり、全ての行動や言動は全て自分にいつか帰ってくる事を悟ったのです。。
良いことも悪いことも嘘も真実もブーメランのように戻ってくる。。

生き方なんて人其々。

何が大切で何処に拘るのか?っていうのと一緒ですね。


紆余曲折あってリュスティックに辿り着いたけど、辿り着くべくして辿り着いたんだろうと勝手に納得しています。

リュスティック教えて貰って無いけど感謝する気持ちを言い換えれば、工夫したり自分のスタイルに対し経験や想いを重ね合わせる事を無意識の内に植え付けられていたのだと今となって実感しています。


シェ ピエールもいよいよ佳境ですね♪とにかく常連客が多くて最終日まで昼夜満席ですよ。
スタッフの皆様、超絶疲れていると思いますが、あと数日。。
頑張って下さい!!


僕は閉店後後片付けに向かいます。。
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大山鶏とフォワグラのガランティーヌ。。

仕込み段階で香り付けにコニャックと今が旬の新生姜を使っています♪
鈴木農園のビーツがアクセント。

凄く昔、駆け出しの頃はこんな一品を作りたくて作りたくて本を読み漁ったり毎週レストランへ行ってみたり、当時僕にとって新しい事を知ったり伝統を知る事にとても貪欲でした。
違ったベクトルで今でもその意欲は変わりませんが、なにしろシェ ピエールでその基礎(古典を知る事・熟練する事・新しい発想を持つ事)を学んだのは事実です。。


僕は当時、確か今の時期にシェ ピエールで働き始めました、つまり中途採用でした。
面接の時に今でも忘れられない一言を喰らい、初日から目の前真っ暗な気持ちになったのは秘密(笑)


中学高校と英語を学んだものの真面目に取り組む事も無く過ごした時間を悔いましたが、時すでに遅し。。日常会話も含め英語力とフランス語力が必要だったのです。
その一言は、、「秦さん、(店舗入り口を指差して)ここから先は日本じゃ無いです、フランスですよ!フフフ」

この一言で目が覚めましたね。料理やレストランを学ぶつもりがフランス語と英語の猛勉強。。

今時で言うと、料理やりたいのに違うことやらなきゃいけないのかよ!
でも、何も知らないから全てを受け入れてやっていくしか無い訳で、優先順位は先ずフランス語と英語。
ほんと心が折れて、真面目に勉強しときゃ良かったなあ〜と後悔先にたたずとはこの事だと思い知ったのでありました。。

でもその後優先順位から取り組んでいく内にどんどん先が開かれて行き、数年後なんとかシェ ピエールの一員として機能するまでとなります。
この間様々な事が有り過ぎで一言では感謝をあらわせません。
いつものようにガランティーヌを作りながらシェフの中島さんから言われた事や当時のドタバタをリアルに、そして今でも指標とする完璧な仕事を思い出します。。


シェ ピエールの歴史は長いです。今時の20年とか30年レストランやっている大変さなんて比べる事が出来ない時代を駆け抜けてきました。
北青山時代に度肝を抜かれる料理を食べた人達も既に高齢ですよね。


フランスパンを日本に広め、ガストロノミーとは違う路線のフランス家庭料理を提供し続けてきたシェ ピエール。

明日はその感謝の気持ちやバカ話でもしに行ってきます。
今月末でシェ ピエール閉店。。。長い長い時間に幕が下ろされますが、受け継がれたエスプリはいつも僕の根底に根付いていますし、シェ ピエールが無くなっても僕にとっての記憶や学びは永遠的。

これからもその【教え】は絶対的な位置にあるでしょう。。。

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いよいよ梅雨入りで蒸し暑く湿度も高くなり不快指数も高くなりますね〜。
でも、こんなときこそ美味しいパン作り♪

そしてパンを作るのに必要な天然酵母も作ります。
今回はオーガニックの干し葡萄。


パン作りに決して適しているとは言えない環境ですが、その範囲内でもクオリティの高い天然酵母パンを作る事が出来る季節でもありまして、、更にこの天然酵母は夏の定番【鱧のベニエ】や【人参の葉っぱスナック】などにも使っています。


ひと昔前は一年中安定したパン作りを目指して色んな事を試しましたよ(笑)
いや。まあそのチャレンジ精神は勿論無駄にはなっていませんから結果オーケーなんですけどね。
料理にも旬が有るように酵母作りから一貫してパン作りがたいして悩まず出来るという、、ある意味僕的にはパン作りの旬はこれからなのです。

酵母を作るからこれを転用して既存の料理がもっと美味しくなるかも?
そう言う思考で鱧や人参の葉っぱがどんどん美味しくなるのは僕もお客様も嬉しい訳ですからまだまだ「それ系」からの品質アップは狙っています。

フランス料理の基本に天然酵母を鱧や人参の葉っぱに使う概念なんて有りませんし、お客様が喜ぶ料理を根拠も無く考える事も有りません。
って言うとなんとも期待外れな雰囲気が漂いますが。。。

小さなレストランですからね、お客様にとっても僕にとっても全てが合理的な価値観を、これからも共有していきたいもんですね。

初夏


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ジロル茸とズッキーニの花。

それぞれ下拵えをして旬の楽しい組み合わせに。
おまかせコースの一品で。。

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鈴木農園の人参に漏れ無く付いてくる葉っぱ。
人参その物も勿論おいしいのですが、営業サイクルの中で必要なもの、と言う意味では茎も葉っぱも重要なアイテムです。


人参の本数に対してあまりにも葉っぱが多い時は活け花ならぬ活け葉っぱにして店内に飾っていますよ。。


捨ててしまえばただのゴミ。必要とする事を前提に考えて利用するサイクルを構築すれば、それは個性となりおいしいもの作りの源となります。。

人参に留まらず四季を通してこのパターンは考えるのがとても楽しいし、なにしろ無駄もない。


でも、無駄を無くす為にアレコレ考えている訳じゃありません。やっぱり味の構成や作用が作りたい料理や出汁に必要なのか?必要じゃなければ新しい事を考えて着地点を作ります。着地点を作る為には素材を知らなければなりませんよね。

向き合うべきは、、人参その物。

あれは要らない、これは必要ない、という概念を先ずは無くすと面白い訳です。


鈴木農園の野菜は僕にとって沢山の時間や労力を使った結果として営業サイクルのど真ん中に位置する素材群なのです。

フランス料理は沢山の野菜を下拵えから料理までとんでもない量を使いますから、求めるのは全ての野菜が健全で本来の味を保てていることが最低条件となります。。
なので、鈴木農園の野菜を扱う意味やそこからサイクルを構築する事とおいしい料理を作る事がイコールなんですよね。

変な話、鈴木農園の人参をかじって「甘い、美味しい」とかの話じゃないです。

素材を選べるんだから世界一美味しい人参を食べさせる食べさせたい商売も成り立ちますから、そういう意味じゃ鈴木農園の野菜は各地特産野菜に比べると普通だと思う。

でも僕にとってはトータルでダントツです。ダントツに好きな理由は僕自身が長い時間と労力をかけて隅々まで使いこなせる手法や技術を構築したからでしょう。。


そこにはレシピとか参考書とかはありません。
先ずは素材から。。。